用途について, 各部の名称, 点検のポイント – Petzl EXO ESCAPE SYSTEM User Manual

Page 22: 使用前の準備と収納, 下降器の機能の原理, 機能の確認, ハーネスへの取り付け, 支点へのセット, セルフレスキュー, 一般注意事項

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D30015 B_EXO ESCAPE SYSTEM_D305020B (131210)

(JP)日本語

図に示された使用方法の中で、×印やドクロマークが付いていないものだけ

が認められています。 最新の取扱説明書はウェブサイト(www.petzl.com)で参

照できますので、定期的に確認してください。 疑問点や不明な点は(株)アルテリ

ア(TEL04-2968-3733)にご相談ください。

『エグゾー』緊急避難システム

ロープ(直径7.5 mm)付個人用緊急下降システム

1. 用途について

この製品は、使用方法の講習を受けたユーザーが、他の避難経路や方法を絶

たれた場合に緊急避難システムとして使用するために開発されたものです。

この製品は、1人分の荷重で使用することを想定してデザインされています。

『エグゾー』を使用できるのは、

『エグゾー』の使用に関する特定の講習を修了し、所

属の消防署に任命された消防士のみです。

使用方法の講習を受けたユーザーは、以後少なくとも1年に1回は訓練する

ことをお奨めします。 また訓練は、必ずバックアップが取られた状態で行って

ください。

実際の緊急避難に使用した『エグゾー』は、以後使用されないよう廃棄してください。

警告

この製品を使用する高所での活動には危険が伴います。

ユーザー各自が自身の行為、判断についてその責任を負うこととします。

使用する前に必ず:

- 取扱説明書をよく読み、理解してください

- この製品を正しく使用するための適切な指導を受けてください

- この製品の機能とその限界について理解してください

- 高所での活動に伴う危険について理解してください

これらの注意事項を無視または軽視すると、重度の傷害や死につながる場合があ

ります。

責任

警告:使用前に必ず、

「用途について」の欄に記載された使用用途のトレーニン

グを受けてください。

この製品は使用方法を熟知していて責任能力のある人、あるいはそれらの人か

ら目の届く範囲で直接指導を受けられる人のみ使用してください。

誤った方法での使用中及び使用後に生ずるいかなる損害、傷害、死亡に関して

もユーザー各自がそのリスクと責任を負うこととします。 各自で責任がとれな

い場合や、その立場にない場合はこの製品を使用しないでください。

2. 各部の名称

下降器(金属製)

(1) ロープガイド (2) カム (3) ピン (4) ハンドル

反転防止機能付コネクター:『オーケー トライアクト バー』

(5) フレーム (6) ゲート (7) ヒンジ (8) ロッキングシステム (9) キーロック (10)

反転防止バー

ロープ

(11a) 縫製されたターミネーション(支点側) (11b) 縫製されたターミネーション

(末端側) (12) 縫製部分 (13) 熱収縮カバー

キャリーバッグ

(14) 中蓋 (15) コネクターポケット (16) 『オーケー トライアクト バー』固定用ス

トラップ (17) 外蓋 (18) ハーネス取付用ストラップ (19) 下部固定用ストラップ

アンカーフック

(20) スロット

主な素材:

ディッセンダー

アルミニウム合金(フレーム、ハンドル)、ステンレススチール(カム、リベット)

オーケー トライアクト バー

アルミニウム合金

ロープ

アラミド(芯及び外皮)

キャリーバッグ

アラミド

アンカーフック

スチール

3. 点検のポイント

この製品は、取扱説明書に記載された通りにセットし、確認をした上で使用し

なければなりません。

毎回、使用前及び使用後に

バッグの目視点検を行ってください。

高温にさらされた場合、あるいは焼けた痕跡や切れ目、水や化学物質との接触

による繊維の変色が確認された場合は、以下の説明に従ってシステム全体の

点検をしてください。

『オーケー トライアクト バー』固定用ストラップが正しい位置にセットされてい

ることを確認してください。正しい位置にない場合は下降器及びコネクター、フ

ックが正しい位置にセットされていることを確認してください。

3A. 下降器(金属製)

製品に亀裂や変形、傷、腐食等がないことを確認してください。磨耗の状態を

確認してください。

カム及びハンドルの動きが妨げられないこと、スプリングや固定用のネジ、リベ

ット等に問題が無いことを確認してください。

器具の内部に砂や小石等の異物が入っていないこと、ロープが通る箇所に潤

滑油等が付着していないことを確認してください。

3B. コネクター:『オーケー トライアクト バー』

フレームとゲート、およびロッキングシステムに亀裂や変形、腐食等がないこと

を確認してください。ゲートを開けて放すと、ゲートが閉まりロックされることを

確認してください。 ゲート上部のキーロックスロットに泥や小石等が詰まらな

いようにしてください。

『オーケー トライアクト バー』の反転防止バーに傷や変形がないことを確認

してください。

3C. ロープ

全体の目視点検を行ってください。 点検箇所にもれがないように、ロープを回

しながら 30 cm 間隔で点検してください。

熱によるダメージ、傷、切れ目、毛羽立ち等がないことを確認してください。

芯にダメージを受けている箇所(柔らかい箇所や折れ曲がった箇所)がないこ

とを確認してください。

縫製されたターミネーションの縫製部分を点検してください。 切れている縫製

糸がないことを特に注意して確認してください。

このシステムの各構成器具(ロープ、下降器等)が正しく機能していないと疑わ

れる場合は廃棄してください。

3D. アンカーフック

ひび割れや変形、腐食等がないことを確認してください。極端な高温にさらさ

れることによって起こる変色がないことを確認してください。

使用する前に

250℃以上の高温にさらしたり、直接炎に接触しないようにしてください。

システムの各構成器具が正しくセットされていることを確認してください。

この製品及び併用する器具(連結している場合は連結部を含む)に常に注意を

払い、状態を確認してください。

システムの各構成器具及びそのパーツ(カム、ゲート等)の動きが妨げられな

いようにしてください。

カラビナは必ずゲートがロックされた状態で使用してください。

ロープに結び目がないこと、下降器に絡む可能性のあるループがないことを確

認してください。 ロープがうまく収納されていない場合や途中に結び目がある

場合には、下降中に危険な状態になる可能性があります。

4. 使用前の準備と収納

この作業は、特定の講習を修了し、所属の消防署に任命された人が行わなけ

ればなりません。

システムの点検後や訓練で使用した後、またそれ以外でもバッグからロープを

出した後は必ずこの作業を行ってください。

収納をする前に機能の確認(7.「機能の確認」参照)を行ってください。

清潔で平らな作業スペースにシステムを広げ、作業を行ってください。

4A. ロープをキャリーバッグに収納する

収納する前にロープを点検してください。 末端側のロープを引いてフックと下

降器が隣り合うようにしてください。

注意:使用中に結び目ができたり絡んだりしないよう、ロープは正しく収納する必要

があります。

バッグを開いて置いてください。 縫製されたターミネーション(末端側)をバッ

グの右側に入れます(図参照)。 バッグと同じ幅でロープを5回折り返します(

図参照)。 折り返したロープをバッグの中に入れます。 ロープが全て収まるま

でこれを繰り返します。

フックから下降器までのロープの長さを 20 cm に調節し、中蓋を閉めます。

4B. 下降器をキャリーバッグに収納する

中蓋の上に下降器を置きます。ハンドルが下(中蓋側)になるようにします。

ロープは中蓋の下に収納されています。

ロープが『オーケー トライアクト バー』の邪魔にならないようにしてください

(図参照)。

フックを前面の ポケットに収納します。

警告:下降器、

『オーケー トライアクト バー』、ロープが正しくセットされていな

いと、システムが正しく機能しません(図参照)。

ストラップ(16)で『オーケー トライアクト バー』を固定します。

外蓋を閉めます。

5. 適合性

この製品は、全ての構成器具が揃っており、正しく収納された状態で使用しな

ければなりません。 一切の改造を禁じます。

この製品は、必ずシットハーネスまたはフルボディハーネスと併用しなければ

なりません。 ウエストベルトとの併用はできません。

バッグ付きの『エグゾー』の使用には、延長されたアタッチメントポイントが必

要です(「8.ハーネスへの取り付け」参照)。

必ずグローブを着用して使用してください。

6. 下降器の機能の原理

器具に体重を預けるとロープにテンションがかかり、カムが回転してロープを

挟みます。 末端側のロープをしっかりと握ることにより、カムのブレーキ機能

を補助します。 ブレーキを解除するには、末端側のロープを握った状態でハン

ドルを引きます。

7. 機能の確認

『オーケー トライアクト バー』を手で持って強く引いてください。 このとき下降

器によりロープにブレーキがかからなければなりません。

警告:下降器によりロープにブレーキがかからない場合は、死につながる危

険があります。

下降器は常に自由に動き、正しく機能する状態になければなりません。下降器

及びそのパーツ(カム、ハンドル等)の動きが妨げられないようにしなければな

りません(「10.セルフレスキュー」参照)。

8. ハーネスへの取り付け

ハーネスのベルト(右側)に、2箇所のハーネス取付用ストラップでキャリーバ

ッグを取り付けます。下部固定用ストラップの取付方向(縦もしくは横)は、ハー

ネスの構造により異なります。

この製品は、常にハーネスのアタッチメントポイントに連結されていなけれ

ばなりません。

バッグをハーネスの側部に取り付けた状態で、

『オーケー トライアクト バー』と

ハーネスを連結するためには、延長されたアタッチメントポイントが必要です。

『オーケー トライアクト バー』とアタッチメントポイントを連結する際は、カラ

ビナの向きに注意してください。正しい向きで連結しなければ、実際に下降す

る時に下降器が正しい向きになりません(図参照)。 ゲートが正しく閉まり、ロッ

クされていることを確認してください。

9. 支点へのセット

支点の選択及び設置についての説明は非常に複雑なため、この取扱説明書に

おいて全てを網羅することはできません。 ここでは数例を紹介します。 特定の

講習を修了し、支点の設置に関する訓練を行わなければ『エグゾー』を使用す

ることはできません。

9A. 構造物に巻く

頑丈な構造物に、フックが付いている方のロープを巻きます。

ロープをループ状にしてフックのスロットに通し、フックにひっかけることによ

り固定します。

9B. フックを使う

- 窓枠にセット:左手で窓枠にフックをひっかけます。 ロールアウトをする時に

最適なポジションになるように、フックは窓の左側(窓の外に向かって左側)に

セットしてください

- 柱や壁等にセット:フックは安定する場所で出来るだけ低い位置にセット

し、フックと下降器の間のロープは常にテンションをかけた状態を維持して

ください

警告、死の危険:ロープは常にテンションがかかった状態を維持してください。

フックが支点から外れてしまう危険があるので、フックと下降器の間のロープ

は絶対にたるまないようにしてください。

警告、死の危険:ロープは、ざらざらした箇所や尖った箇所、高温の箇所に接触

してはなりません。

警告:フックが窓枠の角にのった状態で荷重をかけた場合などでは、フックが

外れる危険があります。

10. セルフレスキュー

以下の説明は、実際の講習の代わりになるものではありません。

水平方向の移動

フックがしっかりと支点にセットされていることを確認してください。

体重をかけてロープにテンションをかけます。

左手で下降器のカムを押さえてロープをスライドさせます。 末端側のロープ

は右手で握ります。

ロープには常に体重をかけた状態にしてください。 下降器と支点の間のロー

プにたるみができないようにしてください。

垂直方向の下降

フックがしっかりと支点にセットされていることを確認してください。

ロープには常に体重をかけた状態にしてください。

警告、危険:平面から垂直面に乗り出す際には、下降器が角に当たって動かな

くなる可能性があります(図参照)。 この場合下降ができなくなります。 講習で

正しい動作を覚えてください。

垂直面への乗り出しが完了したら、左手でゆっくりとハンドルを引きます。 末端

側のロープから絶対に右手を放さないでください。 ハンドルの操作でブレー

キの補助をすることはできますが、下降速度は末端側のロープの握り具合で

コントロールします。

下降速度が速くなりすぎないように注意してコントロールして下さい。許容最

高速度:秒速 2 m。

警告:ハンドルから手を放す時も、末端側のロープから絶対に手を放さない

でください。

警告

- 下降器でロープが詰まると(結び目、もつれ等で)、下降できなくなります

- 速すぎるスピードで下降し、結び目または縫製されたターミネーションにより急停

止すると、システムが破断する、フックが外れる、または重度の傷害を負う危険があ

ります

システムからの離脱

下降を終了したら、着地点の安全を確認し、ハーネスからコネクターを外し

ます。

11. 一般注意事項

耐用年数 / 廃棄基準

実際の緊急避難に使用した『エグゾー』は、以後使用されないよう廃棄してください。

ペツルのプラスチック製品及び繊維製品の耐用年数は、製造日から数えて最長

10年です。 金属製品には特に設けていません。

注意:極めて異例な状況においては、1回の使用で損傷が生じ、その後使用不

可能になる場合があります(劣悪な使用環境、鋭利な角との接触、極端な高/低

温下での使用や保管、化学薬品との接触等)

以下のいずれかに該当する製品は以後使用しないでください:

- 『エグゾー』を既に実際の緊急時に使用した

- プラスチック製品または繊維製品で、製造日から10年以上経過した

- 大きな墜落を止めた、あるいは非常に大きな荷重がかかった

- 点検において使用不可と判断された。 製品の状態に疑問がある

- 完全な使用履歴が分からない

- 該当する規格や法律の変更、新しい技術の発達、また新しい製品との併用に

適さない等の理由で、使用には適さないと判断された

使用しなくなった製品は、以後使用されることを避けるため廃棄してください。

製品の点検

毎回の使用前の点検に加え、定期的に十分な知識を持つ人物による綿密な

点検を行う必要があります。 綿密な点検を行う頻度は、使用の頻度と程度、目

的により異なります。また、法令による規定がある場合はそれに従わなけれ

ばなりません。 ペツルは、少なくとも12ヶ月ごとに綿密な点検を行うことをお

勧めします。

トレーサビリティ(追跡可能性)を維持するため、製品に付いているタグを切り

取ったり、マーキングを消したりしないでください。

用具をよりよく管理するため、製品ごとに点検記録をとることをお勧めします。

詳しい点検記録の見本はwww.petzl.com/ppeをご参照ください。

持ち運びと保管

紫外線、化学薬品、高/低温等を避け、湿気の少ない場所で保管してください。

必要に応じて洗浄し、直射日光を避けて乾燥させてください。

ロープは紫外線から保護してください。

改造と修理

ペツルの施設外での製品の改造および修理を禁じます(パーツ交換は除く)。

3年保証

原材料及び製造過程における全ての欠陥に対して適用されます。 以下の場合

は保証の対象外とします:通常の磨耗や傷、酸化、改造や改変、不適切な保管

方法、メンテナンスの不足、事故または過失による損傷、不適切または誤った

使用方法による故障

責任

ペツル及びペツル総輸入販売元である株式会社アルテリアは、製品の使用か

ら生じた直接的、間接的、偶発的結果またはその他のいかなる損害に対し、一

切の責任を負いかねます。

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