用途について, この製品を使用するには、特別なトレーニン グを受ける必要があります, 各部の名称 – Petzl EXO EASHOOK User Manual

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EXO CE SACOCHE D305100A (040808)

(JP)日本語

図に示された使用方法の中で、×印やドクロマークが付いていないものだけ

が認められています。 最新の取扱説明書はウェブサイト(www.alteria.co.jp)で

参照できますので、定期的に確認して下さい。 疑問点や不明な点は(株)アルテ

リア(TEL04-2969-1717)にご相談下さい。

『エグゾー』緊急避難システム

ロープ(直径7.5 mm)付個人用緊急下降システム

1. 用途について

この製品は、使用方法のトレーニングを受けたユーザーが、他の避難経路や

方法を絶たれた場合に緊急避難システムとして使用するために開発された

ものです。

2. この製品を使用するには、特別なトレーニン

グを受ける必要があります。

この製品を使用できるのは、この製品を使用した緊急避難技術のトレーニング

を受け、且つ所属する団体から使用を認められたユーザーに限られます。

ペツルの認定機関が行うトレーニングは、受講者の作業現場の特徴(支点、

障害物等)を考慮した内容でなければなりません。 またそのトレーニングは、

この製品の点検及び準備の方法と、緊急時の使用方法を定めている必要が

あります。

1年に1回は訓練をすることをお奨めします。なお、訓練の際は訓練用に用意さ

れた『エグゾー』を使用して下さい。 また訓練は、必ずバックアップが取られた

状態で行って下さい。

注意、訓練のために使用する『エグゾー』

訓練のために使用する『エグゾー』は、毎回使用する前に、トレーニングを受け

たユーザーによって点検、準備、収納が行われる必要があります。

警告

この製品を使用する高所での活動には危険が伴います。

ユーザー各自が自身の行為、判断についてその責任を負うこととします。

使用する前に必ず:

- 取扱説明書をよく読み、理解して下さい

- この製品を正しく使用するための適切な指導を受けて下さい

- この製品の機能とその限界について理解して下さい

- 高所での活動に伴う危険について理解して下さい

これらの注意事項を無視または軽視すると、重度の障害や死につながる場合があ

ります。

責任

警告:使用前に必ず、

「用途について」の欄に記載された使用用途のトレーニ

ングを受けて下さい。

この製品は使用方法を熟知していて責任能力のある人、あるいはそれらの人

から目の届く範囲で直接指導を受けられる人のみ使用して下さい。

誤った方法での使用中及び使用後に生ずるいかなる損害、傷害、死亡に関して

もユーザー各自がそのリスクと責任を負うこととします。 各自で責任がとれな

い場合や、その立場にない場合はこの製品を使用しないで下さい。

3. 各部の名称

下降器

(1) ロープガイド (2) カム (3) ピン (4) ハンドル

反転防止機能付コネクター『オーケー トライアクト バー』及びロープ先端のコネクタ

ー(EN 362適合)

(5) フレーム (6) ゲート (7) ヒンジ (8) ロッキングシステム (9) キーロック

(10) 反転防止バー

ロープ

(11a) 縫製されたターミネーション(支点側) (11b) 縫製されたターミネーション

(末端側) (12) 縫製部分 (13) 熱収縮カバー

キャリーバッグ

(14) 中蓋 (15) コネクターポケット (16) 『オーケー トライアクト バー』固定用ス

トラップ (17) 外蓋 (18) ハーネス取付用ストラップ (19) 固定用後部ストラップ

主な素材:

下降器

アルミニウム合金(フレーム、ハンドル)、ステンレススチール(カム、リベット)

オーケー トライアクト バー

アルミニウム合金

ロープ

アラミド(芯及び外皮)

キャリーバッグ

アラミド

4. 点検のポイント

この製品は、取扱説明書に記載された通りにセットし、確認をした上で使用し

なければなりません。

毎回、使用前及び使用後に

4A. キャリーバッグ

バッグの目視点検を行って下さい。

高温にさらされた場合、あるいは焼けた痕跡や切れ目、水や化学物質との接触

による繊維の変色が確認された場合は、システム全体の点検をして下さい。

『オーケー トライアクト バー』固定用ストラップが正しい位置にセットされて

いることを確認して下さい。

4B. 下降器

製品に亀裂や変形、傷、磨耗、腐食等がないことを確認して下さい。

カム及びハンドルの動きが妨げられないこと、スプリングや固定用のネジ、リベ

ット等に問題が無いことを確認して下さい。

器具の内部に砂や小石等の異物が入っていなこと、ロープが通る箇所に潤滑

油等が付着していないことを確認して下さい。

4C. コネクター:『オーケー トライアクト バー』及びロープ先端のコネクター

フレームとゲート、およびロッキングシステムに亀裂や変形、腐食等がないこ

とを確認して下さい。ゲートを開けて放すと、ゲートが閉まりロックされること

を確認して下さい。 ゲート上部のキーロックスロットに泥や小石等が詰まらな

いようにして下さい。

『オーケー トライアクト バー』の反転防止バーに傷や変形がないことを確認

して下さい。

4D. ロープ

全体の目視点検を行って下さい。 点検箇所にもれがない様、ロープを回しなが

ら30 cm間隔で点検して下さい。

熱によるダメージ、傷、切れ目、毛羽立ち等がないことを確認して下さい。

芯にダメージを受けている箇所(柔らかい箇所や折れ曲がった箇所)がないこ

とを確認して下さい。

縫製されたターミネーションの縫製部分を点検して下さい。 切れている縫製糸

がないことを特に注意して確認して下さい。

このシステムの各構成器具(ロープ、下降器等)が正しく機能していないと疑わ

れる場合は廃棄して下さい。

使用する前に

250℃以上の高温や炎にさらさないようにして下さい。

支点やハーネスとの連結部を含め、システムの構成器具が正しくセットされて

いることを確認して下さい。

この製品及び併用する器具(連結している場合は連結部を含む)に常に注意を

払い、状態を確認して下さい。

システムの各構成器具及びそのパーツ(カム、ゲート等)の動きが妨げられな

いようにして下さい。

- カラビナは必ずゲートがロックされた状態で使用して下さい。

ロープに結び目がないこと、下降器に絡む可能性のあるループがないことを確

認して下さい。 ロープがうまく収納されていない場合や途中に結び目がある場

合には、下降中に危険な状態になる可能性があります。

5. 使用前の準備と収納

5A. ロープをキャリーバッグに収納する

この作業は、充分な知識を持ち、トレーニングを受けた人物が行わなければ

なりません。

収納する前にロープを点検して下さい。 ロープを引いて先端のコネクターと下

降器の距離が20 cmになるようにして下さい。 清潔で平らな作業スペースに

システムを広げ、作業を行って下さい。

注意:使用中に結び目ができたり絡んだりしないよう、ロープは正しく収納する必要

があります。

バッグを開いた状態で置いて下さい。 縫製されたターミネーション(末端側)を

バッグの右側に入れます(図参照)。 バッグと同じ幅でロープを5回折り返しま

す(図参照)。 折り返したロープをバッグの中に入れます。 ロープが全て収まる

までこれを繰り返します。

ロープ先端のコネクターから下降器までのロープの長さを20 cmに調節し、

中蓋を閉めます。

5B. 下降器をキャリーバッグに収納する

中蓋の上に下降器を置きます。ハンドルが下(中蓋側)になるようにします。

ロープは中蓋の下に収納されています。

『オーケー トライアクト バー』がロープの邪魔にならないようにして下さい(

図参照)。

ロープの先端とコネクターは、コネクターポケットに収納します。

警告:下降器、

『オーケー トライアクト バー』、ロープが正しくセットされていないと、シ

ステムが正しく機能しません(図参照)。

ストラップ(16)で『オーケー トライアクト バー』を固定します。

外蓋を締めます。

6. 適合性

この製品は、全ての構成器具が揃っており、正しく収納された状態で使用しな

ければなりません。 一切の改造を禁じます。

この製品は、必ずシットハーネスまたはフルボディハーネスと併用しなければ

なりません(ハーネスはそれぞれ該当する規格に適合していなければなりませ

ん)。 ウエストベルトとの併用は禁じます。

この製品の使用には、延長アタッチメントポイントが必要です(「9.ハーネスへ

の取り付け」参照)。

必ずグローブを着用して使用して下さい。 下降により下降器が熱を持ち、やけ

どをする危険があります。

7. 下降器の機能の原理

器具に体重を預けるとロープにテンションがかかり、カムが回転してロープを

挟みます。 末端側のロープをしっかりと握ることにより、カムのブレーキ機能

を補助します。 ブレーキを解除するには、末端側のロープを握った状態でハン

ドルを引きます。

8. 機能の確認

『オーケー トライアクト バー』を手で持って強く引いて下さい。 このとき下降

器によりロープにブレーキがかからなければなりません。

警告:下降器によりロープにブレーキがかからない場合は、死につながる危

険があります。

下降器は常に自由に動き、正しく機能する状態になければなりません。下降器

及びそのパーツ(カム、ハンドル等)の動きが妨げられないようにしなければな

りません(『11.下降』参照)。

9. ハーネスへの取り付け

ハーネスのベルト(右側部)に、2箇所のハーネス取付用ストラップでキャリー

バッグを取り付けます。固定用後部ストラップの取付方向(縦もしくは横)は、ハ

ーネスの構造により異なります。

この製品は、常にハーネスのアタッチメントポイントに連結されていなければなり

ません。

バッグをハーネスの側部に取り付けた状態で、

『オーケー トライアクト バー』と

ハーネスを連結するためには、延長アタッチメントポイントが必要です。

『オーケー トライアクト バー』とアタッチメントポイントを連結する際は、カラ

ビナの向きに注意して下さい。正しい向きで連結しなければ、実際に下降する

時に下降器が正しい向きになりません(図参照)。 ゲートが正しく閉まり、ロック

されていることを確認して下さい。

10. 支点へのセット

支点の選択及び設置についての説明は非常に複雑なため、この取扱説明書

において全てを網羅することはできません。 ここでは数例を紹介します。 支点

の選択及び設置についての知識と技術は、トレーニングを受けて習得する必

要があります。

充分な強度(10 kN)を持つ固定された支点に、ロープの末端のコネクターを

クリップします。

警告、死の危険:ロープは、ざらざらした箇所や尖った箇所、高温の箇所に接触

してはなりません。

警告:ロープ先端のコネクターが、梁等の角に当たった状態で荷重がかからな

いように注意して下さい。コネクターの強度が落ちるため危険です。

11. 下降

以下の説明は、実際のトレーニングの代わりになるものではありません。

水平方向の移動

ロープが正しく支点に連結されていることを確認して下さい。

体重をかけてロープにテンションをかけます。

左手で下降器のカムを押さえてロープをスライドさせます。 末端側のロープ

は右手で握ります。

ロープには常に体重をかけた状態にして下さい。 下降器と支点の間のロープ

にたるみができないようにして下さい。

垂直方向の下降

ロープが正しく支点に連結されていることを確認して下さい。

ロープには常に体重をかけた状態にして下さい。

警告、危険:平面から垂直面に乗り出す際には、下降器が角に当たって動かな

くなる可能性があります(図参照)。 この場合下降ができなくなります。 ユーザ

ーは充分なトレーニングを積み、正しい動きを習得する必要があります。

垂直面への乗り出しが完了したら、左手でゆっくりとハンドルを引きます。 末

端側のロープから絶対に右手を放さないで下さい。 ハンドルの操作でブレー

キの補助をすることはできますが、下降速度は末端側のロープの握り具合で

コントロールします。

下降速度が速くなりすぎないように注意してコントロールして下さい。許容最

高速度:秒速2 m。

警告:ハンドルから手を放した場合も、末端側のロープから絶対に手を放さ

ないで下さい。

警告

- 下降器でロープが詰まると(結び目、もつれ等で)、下降できなくなります

- 速すぎるスピードで下降し、結び目または縫製されたターミネーションにより急停止

すると、システムが壊れたり、重度の傷害を負う危険があります

セットの取り外し

下降を終了したら、着地点の安全を確認し、ハーネスからコネクターを外し

ます。

12. 規格(EN 365)に関する補足情報

レスキュープラン

ユーザーは、この製品の使用中に問題が生じた際にすみやかに対処できるよ

う、レスキュープランとそれに必要となる装備をあらかじめ用意しておく必要

があります。

支点

システム用の支点はユーザーの体より上にとるようにしてください。支点は、

最低でも10 kNの破断強度を持ち、EN 795 基準を満たしていなければなり

ません。

その他

- 複数の器具を同時に使用する場合、1つの器具の安全性が、別の器具の使用

によって損なわれることがあります

- ユーザーは、高所での活動が行える良好な健康状態にあることが必要です

- 併用するすべての用具の取扱説明書もよく読み、理解して下さい

- 取扱説明書は、製品と一緒にユーザーの手に届かなければなりません。また、

取扱説明書は製品が使用される国の言語に訳されていなければなりません

13. 一般注意事項

耐用年数 / 廃棄基準

『エグゾー』は二度使用することのできない製品です:一度使用したら廃棄して下

さい。

ペツルのプラスチック製品及び繊維製品の耐用年数は、製造日から数えて最長

10年です。 金属製品には特に設けていません。

注意:極めて異例な状況においては、1回の使用で損傷が生じ、その後使用不

可能になる場合があります(劣悪な使用環境、鋭利な角との接触、極端な高/低

温下での使用や保管、化学薬品との接触等)

以下のいずれかに該当する製品は以後使用しないで下さい:

- 『エグゾー』を既に1度使用した

- プラスチック製品または繊維製品で、製造日から10年以上経過した

- 大きな墜落を止めた場合や、非常に大きな荷重がかかった

- 点検において使用不可と判断された。 製品の状態に疑問がある

- 完全な使用履歴が分からない

- 該当する規格や法律の変更、新しい技術の発達、また新しい製品との併用に

適さない等の理由で、使用には適さないと判断された

使用しなくなった製品は、以後使用されることを避けるため廃棄して下さい。

製品の点検

毎回の使用前の点検に加え、定期的にPPEに関する十分な知識を持つ人物に

よる綿密な点検を行う必要があります。 綿密な点検を行う頻度は、使用の頻度

と程度、目的により異なります。また、法令による規定がある場合はそれに従わ

なければなりません。 ペツルは、少なくとも12ヶ月ごとに綿密な点検を行うこ

とをお勧めします。

トレーサビリティ(追跡可能性)を維持するため、製品に付いているタグを切り

取ったり、マーキングを消したりしないで下さい。

用具をよりよく管理するため、製品ごとに点検記録をとることをお勧めします。

詳しい点検記録の見本はwww.petzl.com/ppeを参照下さい。

持ち運びと保管

紫外線、化学薬品、高/低温等を避け、湿気の少ない場所で保管して下さい。必

要に応じて洗浄したり乾燥させたりして下さい。

改造と修理

ペツルの施設外での製品の改造および修理を禁じます(パーツ交換は除く)。

3年保証

原材料及び製造過程における全ての欠陥に対して適用されます。 以下の場合

は保証の対象外とします:通常の磨耗や傷、酸化、改造や改変、不適切な保管

方法、メンテナンスの不足、事故または過失による損傷、不適切または誤った

使用方法による故障

責任

ペツル及びペツル総輸入販売元である株式会社アルテリアは、製品の使用か

ら生じた直接的、間接的、偶発的結果またはその他のいかなる損害に対し、一

切の責任を負いかねます。

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