用途について, 重要事項, 各部の名称 – Petzl Веревки Petzl User Manual

Page 22: 点検のポイント, 使用上の注意, セミスタティックロープの性能, 規格(en 365)に関する補足情報, 一般注意事項, 使用履歴, 主な素材

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R74 SEMI-STATIC ROPE R745000C (190209)

(JP)日本語

図に示された使用方法の中で、×印やドクロマークが付いていな

いものだけが認められています。 最新の取扱説明書はウェブサイト

(www.alteria.co.jp)で参照できますので、定期的に確認して下さい。

疑問点や不明な点は(株)アルテリア(TEL04-2969-1717)にご相談

下さい。

1. 用途について

この製品は個人保護用具(PPE:Personal Protective Equipment)

です。

EN 1891 タイプ Aに適合したセミスタティックロープ(ローストレッ

チカーンマントルロープ)です。

ロープアクセスやワークポジショニングでの使用には、タイプBのロ

ープよりもタイプAのロープの方が適しています。

ロープアクセス、ワークポジショニング、レストレイン、レスキュー、ケ

イビング、キャニオニングに使用できます。

作業ロープとしても、バックアップロープとしても使用できます。 カ

ラーが複数あるので、用途によって使い分けができます。

リードクライミングの技術を使用する場合は、このロープではなく

ダイナミックロープを使用しなければなりません。

注意:ダイナミックロープ(EN 892適合)、セミスタティックロープ

(EN 1891 タイプ AまたはタイプB適合)、アクセサリーコード(EN

564適合)は、全て区別できるように管理し、使用してください。

製品に表示された破断強度以上の荷重をかける使用や、本来の用

途以外での使用は絶対に避けて下さい。

ロープは、人の安全を確保するための個人保護用具です。ロープ

に損傷を与える危険があるため、荷物の引き上げには使用しない

で下さい。

警告

この製品を使用する高所での活動には危険が伴います。

ユーザー各自が自身の行為、判断についてその責任を負うこ

ととします。

使用する前に必ず:

- 取扱説明書をよく読み、理解して下さい

- この製品を正しく使用するための適切な指導を受けて下さい

- この製品の機能とその限界について理解して下さい

- 高所での活動に伴う危険について理解して下さい

これらの注意事項を無視または軽視すると、重度の障害や死に

つながる場合があります。

責任

警告:使用前に必ず、

「用途について」の欄に記載された使用用途の

トレーニングを受けて下さい。

この製品は使用方法を熟知していて責任能力のある人、あるいは

それらの人から目の届く範囲で直接指導を受けられる人のみ使用

して下さい。

ユーザーは各自の責任で適切な技術及び確保技術を習得する必

要があります。

誤った方法での使用中及び使用後に生ずるいかなる損害、傷害、死

亡に関してもユーザー各自がそのリスクと責任を負うこととします。

各自で責任がとれない場合や、その立場にない場合はこの製品を

使用しないで下さい。

2. 重要事項

製品寿命への影響:

製品寿命をより長くするために、初回使用の前に、水の中に24時間

浸けてください。 こうすることにより、製造の過程で付着した油等を

取り除くことができます。 その後、直射日光を避け、風通しの良い場

所で自然乾燥させてください。 乾燥後は、ロープが約5 %縮みます。

必要な長さを決める際は、この縮みを考慮して計算して下さい。

また、ロープは使い込むことにより、さらに5 %程度縮みます。

速いスピードでの下降は避けてください。ロープの外皮を傷め、消

耗を速めます。 下降のスピードが速すぎると、下降器が熱を持ち、

ロープのナイロン繊維(融点:230℃)を溶かしてしまいます。

キンクを避けるために

ロープを巻く時は、キンクを避けるため、コイル状に巻かないで

下さい。

マーキング

ロープを切って使用する場合は、全てのロープの末端に適切なマ

ーキングを施して下さい。 マーキングには、切った後の長さを記載

することを推奨します。 切った後のロープには、必ず取扱説明書の

コピーを1部ずつ付けて下さい。

衝撃荷重

埃や砂等で汚れているロープや、濡れているロープは、墜落の際の

衝撃荷重がより大きくなります。

衝撃荷重は、ロープが消耗するにつれて大きくなります。

使用履歴

使用履歴の分からないロープは使用しないでください。大きな墜落

による衝撃を受けている場合や、目視で確認できない損傷箇所が

ある場合があります。

3. 各部の名称

ロープ

(1) コア (2) シース (3) 熱収縮マーキングラベル

縫製されたターミネーション(オプション)

(4) 縫製部分 (5) 縫製糸 (6) 保護カバー

マーキング

(7) ロープの情報を記載したマーキングラベル

主な素材

ナイロン(ロープ)、ポリウレタン(保護カバー)、ポリエステル(縫

製糸)

4. 点検のポイント

毎回、使用前に

全体の目視点検を行って下さい。 熱によるダメージ、傷、切れ目、毛

羽立ち等がないことを確認して下さい。

点検箇所にもれがない様、ロープを回しながら30 cm間隔で点検

して下さい。

ロープを手に通し、触診により、芯にダメージを受けている箇所(柔

らかい箇所や折れ曲がった箇所)がないことを確認してください。

ロープを屈曲させたり、繰り返し荷重をかけたりすると、目に見えな

いロープ内部の磨耗や損傷を生じる場合があります。この症状は、

濡れた状態での使用や砂等の細かい粒子がロープ内に蓄積するこ

とにより悪化します。

縫製されたターミネーション

ウェビングに切れ目がないこと、使用による、または熱や化学製品

との接触による磨耗や損傷がないことを確認して下さい。特に縫製

部分にほつれがないか注意して点検して下さい。 保護カバーをず

らし、縫製箇所の点検をして下さい。 点検後は保護カバーを元の位

置に戻して下さい。

使用中の注意点

製品の状態を常に確認して下さい。

各PPE(個人保護用具)の点検方法の詳細についてはペツルのウェ

ブサイト(www.petzl.com/ppe)もしくはPETZL PPE CD-ROMを参

照下さい。

もしこの器具の状態に関する疑問があれば、(株)アルテリア

(TEL:04-2969-1717)にご相談下さい。

5. 適合性

この製品がシステムの中のその他の器具と併用できることを確認し

て下さい。(併用できる = 相互の機能を妨げない)

注意:一度も洗っていない新しいロープは、滑りやすいので注意し

て下さい。

使用する器具とロープが、併用できることを確認して下さい(各器具

の取扱説明書で確認して下さい)。

ロープと併用する器具(アンカー、ロッキングカラビナ、アブソーバ

ー等)は全て最新の規格に適合していなければなりません。

カラビナやその他の器具に、バリや鋭い角がないことを確認して下

さい(ロープにダメージを与える危険があります)。

併用に適さない器具と使用した場合、器具が偶発的に外れる、壊

れる、または併用する器具の安全機能を損なうといった危険性が

あります。

6. 使用上の注意

6A. ロープを結ぶ方法としては8の字結びを推奨します。また、結び

目にゆるみが無いようにしっかりと締め、末端が最低でも10cm以

上余るようにすることが重要です ロープの末端に8の字結びを結

び、安全に配慮して下さい(図参照)

6B. 警告、危険:ロープとロープ、あるいはロープとスリングがこす

れると、摩擦熱によりロープまたはスリングが切断してしまう危険

性があります

警告、危険:鋭い角やざらざらした面との接触は避けて下さい。 ロ

ーププロテクター(『プロテック』

『ロールモジュール』

『セットキャタ

ピラー』)を使用して、ロープを保護して下さい

墜落した場合の衝撃荷重を小さくするため、ユーザーと吊元との間

のロープは常にたるみがない状態にしてください

6C. 縫製されたターミネーション

縫製されたターミネーションに保護カバーが付いていないロープ

は使用しないでください。 保護カバーが欠損していると、縫製部分

が速く磨耗してしまいます。

一つの縫製されたターミネーションに複数のカラビナをかける使

用は絶対にしないで下さい。 二つの異なる方向に荷重がかかると、

縫製部分にダメージを与えます。

6D. チロリアンブリッジ

警告:ロープクランプを使用して固定したロープに大きな荷重が掛

かると、ロープがダメージを受ける危険性があります

警告:二つの支点間にセットされたロープの中央に荷重をかける

と、両端の支点とロープに許容荷重を超える大きな負荷がかかる危

険があります(図参照)

6E. これらの物質がロープに触れないようにロープを保護して

ください

警告:化学製品(気化ガス、酸、油、ガソリン等)はロープの繊維を傷

める危険があります。 これらの物質がロープに触れないようにロー

プを保護してください。 塗料やセメントがロープに付着すると、ロー

プの性能に影響を与える場合があります。

7. セミスタティックロープの性能

規格により定められた試験の内容:

f:落下率

墜落距離と墜落を止めるロープの長さの比です。

F:衝撃荷重

墜落の際に、墜落者とフォールアレストシステム(支点、カラビナ、ロ

ープ等)にかかる衝撃です。

タイプAのロープに対する試験では、100 kgのおもりを使用し、落

下率0.3の墜落をさせて測定します。 EN 1891は、この値を6 kN以下

と定めています。

耐墜落回数

3分間隔で落下率1の墜落をさせて測定します(ロープの末端は8の

字結びで固定します)。 タイプAのロープは、100 kgのおもりを使用

した落下試験に連続5回以上耐えなければなりません。

破断強度

静荷重での破断強度です。 タイプ Aのロープは、破断強度が22 kN

以上であることが求められます。

結び目及び縫製されたターミネーションの破断強度

タイプAのロープでは、8の字結びもしくは縫製されたターミネーシ

ョンが、15 kNの荷重に3分間耐えなければなりません。

8. 規格(EN 365)に関する補足情報

レスキュープラン

ユーザーは、この製品の使用中に問題が生じた際にすみやかに対

処できるよう、レスキュープランとそれに必要となる装備をあらかじ

め用意しておく必要があります。

支点

システム用の支点はユーザーの体より上にとるようにしてください。

支点は、最低でも10 kNの破断強度を持ち、EN 795 基準を満たして

いなければなりません。

クリアランス:ユーザーの下の障害物のない空間

墜落した場合に途中で障害物にあたることを回避するため、ユーザ

ーの下には必ず十分なクリアランスを確保して下さい。 必要なクリ

アランスを算出する方法は、フォールアレストシステムを構成する

その他の器具(エネルギーアブソーバー、モバイルフォールアレス

ター等)の取扱説明書に記載されています。

その他

- 複数の器具を同時に使用する場合、1つの器具の安全性が、別の

器具の使用によって損なわれることがあります

- ユーザーは、高所での活動が行える良好な健康状態にあること

が必要です。

- 併用するすべての用具の取扱説明書もよく読み、理解して下さい

- 取扱説明書は、製品と一緒にユーザーの手に届かなければなりま

せん。また、取扱説明書は製品が使用される国の言語に訳されてい

なければなりません

9. 一般注意事項

耐用年数 / 廃棄基準

ペツルのプラスチック製品及び繊維製品の耐用年数は、製造日から

数えて最長10年です。 金属製品には特に設けていません。

注意:極めて異例な状況においては、1回の使用で損傷が生じ、その

後使用不可能になる場合があります(劣悪な使用環境、鋭利な角と

の接触、極端な高/低温下での使用や保管、化学薬品との接触等)

以下のいずれかに該当する製品は以後使用しないで下さい:

- プラスチック製品または繊維製品で、製造日から10年以上経過

した

- 大きな墜落を止めた場合や、非常に大きな荷重がかかった

- 点検において使用不可と判断された。 製品の状態に疑問がある

- 完全な使用履歴が分からない

- 該当する規格や法律の変更、新しい技術の発達、また新しい製品

との併用に適さない等の理由で、使用には適さないと判断された

使用しなくなった製品は、以後使用されることを避けるため廃

棄して下さい。

製品の点検

毎回の使用前の点検に加え、定期的にPPEに関する十分な知識を

持つ人物による綿密な点検を行う必要があります。 綿密な点検を行

う頻度は、使用の頻度と程度、目的により異なります。また、法令によ

る規定がある場合はそれに従わなければなりません。 ペツルは、少

なくとも12ヶ月ごとに綿密な点検を行うことをお勧めします。

トレーサビリティ(追跡可能性)を維持するため、製品に付いている

タグを切り取ったり、マーキングを消したりしないで下さい。

点検記録に含める内容:用具の種類、モデル、製造者または販売元

の名前と連絡先、製造番号、認識番号、製造日、購入日、初めて使用

した時の日付、次回点検予定日、注意点、コメント、点検者及びユー

ザーの名前と署名。

点検記録の見本はwww.petzl.fr/ppeまたはPetzl PPE CD-ROMで

ご覧いただけます。

持ち運びと保管

紫外線、化学薬品、高/低温等を避け、湿気の少ない場所で保管して

下さい。必要に応じて洗浄し、直射日光を避けて乾燥させて下さい。

改造と修理

ペツルの施設外での製品の改造および修理を禁じます(パーツ交

換は除く)。

3年保証

原材料及び製造過程における全ての欠陥に対して適用されます。

以下の場合は保証の対象外とします:通常の磨耗や傷、酸化、改造

や改変、不適切な保管方法、メンテナンスの不足、事故または過失

による損傷、不適切または誤った使用方法による故障

責任

ペツル及びペツル総輸入販売元である株式会社アルテリアは、製

品の使用から生じた直接的、間接的、偶発的結果またはその他のい

かなる損害に対し、一切の責任を負いかねます。

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