試験官の適性, 残留電流装置(rcd, より高度なシステム – Hypertherm 80669C Rev.2 User Manual

Page 168

Advertising
background image

SC-168

安全とコンプライアンス

日本語 / Japanese

製品管理

試験官の適性

形状切断装置の電気的安全試験は危険を伴う場合があり、試験を実
施する試験官は電気修理分野の専門家であるか、あるいは可能であ
れば溶接や切断、関連工程にも精通していることが求められます。
試験官が不適格であった場合の試験官自身および装置の安全上の問
題は、定期検査および試験から得られるメリットと比較しても非常
に大きなものとなります。

装置が設置されている地域の国家規制により電気的安全の試験が特
に要求されている場合以外は、視覚検査のみ実施することを
Hypertherm では推奨しています。

残留電流装置(RCD)

オーストラリアおよびその他の国々では、作業場または建設現場に
おいて作業者を装置の電気的故障から保護するために携帯用電気 機
器を用いる場合、地域の規約により残留電流装置(RCD:Residual
Current Devices)の使用が義務付けられることがあります。RCD
は、電源供給とリターン電流のアンバランスが検知された(接地漏
れ電流がある)場合に、主電源を安全に遮断するように設計されて
います。RCD は、トリップ電流の値を 6 から 40 ミリアンペアの範
囲で固定することも、あるいは調整可能にすることもできます。ま
た、装置の設置方法、用途、使用目的に応じて最大 300  ミリ秒のト
リップ時間を指定することができます。RCD を使用する場合、ト
リップ電流およびトリップ時間の設定値は、プラズマ切断装置の正
常な動作がトリップにより妨害されることのないよう十分に高く、
かつ、極端に稀な装置の電気的障害時に、漏電発生により作業者の
生命に関わる電気的危険が引き起こされる前に電源が停止するよう
十分に低い値が選択または調整される必要があります。

RCD が時間を経ても適切に機能し続けていることを確認するため
に、トリップ電流とトリップ時間の両方を定期的に試験する必要が
あります。オーストラリアとニュージーランドの商業および産業地
区で使用される RCD と携帯用電気機器については、オーストラリア
標準 AS/NZS 3760 に関する試験が実施されています。AS/NZS
3760 に関するプラズマ切断装置の絶縁を試験する場合、標準の付録
B に従い、電源スイッチを ON の位置にしたまま 250 VDC で絶縁抵
抗を計測することで、確実に適切な試験を実施でき、漏電試験にお
ける誤った不合格判定を避けることができます。誤った不合格判定
が生じる理由は、エミッションを低減し装置を電圧の急激な変化か
ら保護するために使用される金属酸化物バリスタ(MOV)および電
磁両立性(EMC)フィルターが、正常時に最大 10  ミリアンペアの
接地漏れ電流を発生させることがあるためです。

本書に記述している IEC 標準の適用または解釈に関してご質問をお
持ちの方は、Hypertherm ではなく、国際電気標準を専門とする適切
な法律アドバイザー等にお問い合わせくださいますようお願いいた
します。

より高度なシステム

システムインテグレータが Hypertherm プラズマ切断システムに、た
とえば切断テーブル、モーター駆動部、運動制御装置、またはロ
ボットなどの装置を追加した場合、その複合システムは、より高度
なシステムと見なすことができます。危険を伴う動く部品を含んだ
より高度なシステムは、工業機械またはロボット設備の性質を持つ
ことがあり、その場合 OEM またはエンドユーザーは、Hypertherm
で製造されたプラズマ切断システムに関連する規制や標準以外の規
則にも従う必要があります。

より高度なシステムのリスク評価と、危険を伴う動く部品に対する
保護対策については、エンドユーザーおよび OEM の皆様の責任に
おいて実施していただく必要があります。OEM が Hypertherm 製品
を採用する際に、より高度なシステムが認定を受けていなければ、
その設置に関して地域の関係当局による承認が必要となる場合があ
ります。法令遵守について確かでない場合は、法律カウンセラーや
地域の規制専門家にアドバイスを求めてください。

より高度なシステムの構成部品をつなぐ外部の接続ケーブルは、最
終的な設置場所で必要とされる汚染物および動きへの耐久性を備え
たものでなければなりません。外部の接続ケーブルが油、粉塵、水、
その他の汚染物にさらされる場合、酷使の評価が必要となる可能性
があります。

外部の接続ケーブルが常に動かされる場合、恒常的屈曲の評価が必
要となる可能性があります。接続ケーブルが用途に適しているかど
うかは、エンドユーザーまたは OEM の責任においてご確認くださ
い。より高度なシステムに対して地域の規制が要求する評価および
コストには相違があるため、いずれの外部接続ケーブルも最終的な
設置場所に適するようにしておく必要があります。

Advertising